遠雷/王
外灯がちかちかと
貧乏くさくて
でも別に何の支障もない
三歩進んだら忘れた
ふらふらと歩く
あの歌のあのフレーズだけが
今日一日鳴っている
どこまでも
ついてくる
ふらふらと歩く
昨夜は十五夜だったんだ
確かに月は丸かった
僕を照らしてくれたっけ
影を作ってくれたっけ
今夜も外へ出たけれど
くもりらしい
ふらふらと歩く
満ちて欠けて
乱視の目には
みんな美しい
まだそれをキレイに思う
心はあるのか
ふらふらと歩く
でも僕は知っている
今、空にある月は
あの日の月では無いことを
全くの別人だ
よく見
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