詩人の死/
松本 卓也
今日 道端で詩人が死んだ
一切の言葉が許されない
循環する空気が身体を冷やす
温もりの欠片も無い肉塊
言葉の澱みが鼓動を止める
今日 道端で詩人が死んだ
寒さに震えていた訳でなく
孤独に泣いていた訳でなく
ただただ苦しんでいただけで
中身などこれっぽっちも無い
今日 道端で詩人が死んだ
言いたい事を無くした
伝える術すら失くした
理解する気など誰もなかった
嘲笑の対象でしかなかった
今日 道端で詩人が死んだ
人に埋もれて詩人が死んだ
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