ルーシィ/汐見ハル
 
たり
すがったりしないのでしょうね

ルーシィ
あなたの弟みたいに
お父さんのタオルケットを
いまだに手放せないでいる
わたしはこどものままで

ルーシィ
やさしくされるのが好きなくせに
誰もあんなふうには愛してくれないって
とっても疑りぶかいのがわたし
いやになっちゃう

ルーシィ
あなただったらきっと
私を愛さないなんて
そんなのおかしいわって
どなりちらすんだろうな

ルーシィ
だからあなたが好き
わたしだったらきっと
拒絶されるのがつらくて
あきらめてしまった

ルーシィ
ヒトがサルだったころ
恋はあったのかな
この世に言葉がなかったころ
好きだって
どうやったら伝えられたかな

あなたならそれを知っている気がする

ルーシィ


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