夜警/MOJO
に浮いた。暫らくベッドの周りを飛ぶうち、雑誌は白い鳥に化け、カーテンの向こう側に入りこんだ。
「意気地がないな」
「ああ、想像力も幼稚」
異形の者達がいつの間にかベッドの周りで囁き合っている。
「でも、最近は素直になってきているな、ついこの間までは、かたく目を瞑り、耳を塞いでいたものな」
「そろそろ見せてやるか」
「今夜は何にする?」
彼等はとても穏やかだ。その会話に耳を傾けるうちに、私は澄んだ水のような心持ちになってくる。
ランドセルを背負った二人連れの男の子が、商店街を抜けたところの掲示板のまえまできて足を止めた。学校帰りだろうか、二人が見上げる先には、きのうまではなかっ
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