新雪/
沢村 俊輔
新雪が積もっている
よく見ると
小さな穴が
点々と続いている
それは
子供が通った足跡
ぼくは外へ出て
子供の足跡を
上から踏んでみた
ざく
冷たい空間を
ざく
音が走りぬけていく
子供の足跡は
ぼくの足跡に変わっていた
ぼくの何気ない行動は
子供の
足跡を消し
存在を消し
未来を消していた
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