淡い世界/ホソミショー
夕暮れはいつからか赤みを失いぼんやりとしたものになり、夜の闇はその黒さを失い灰色に変わった世界、 そんな世界…
時代は流れ変わりゆく、そんなことはわかっていた、わかっていた…はずだった。
青い空を思い出そうにも空を見上げて見えるのは灰色の雲だけ、もしかしたら青い空などもうないのではないか? 夢を見ようにもそんな余裕もない世界で
僕たちは何を目指して歩いていたのか、少なくともこんな淡い色の世界などではなかったはずだ。透明な空気さえも淡く濁って見える世界では…
みんなと同じ流行りというものを追いかけ続けた結果個性を無くし、鮮やかな色は消えていき、みんなと馴染む淡
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