虹の昂木/
けんご
ただひたすらに
天空に両腕を広げ
幸せを抱きしめたいと
願っている
頭上には虹の昂木が茂っていて
地面を見おろしている
アンドロマイトシナプスにろ過された
透明な木漏れ日に
肌にまとわりついていた汗も乾くほど
快い風の駆け抜ける
朝にも夕暮れにも
甘い口づけが待っていて
この場所で
空は砕けた
虚空には凛と立つ
豊穣の昂木
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