明日のアタシはどんな色/たにがわR
い? 」
「あなたのおごりよ。けど土曜日だったら、時間がかかるかもね」
「まあ、いいだろ。で、結局、白?」
「うん、あきらめの色よ。今日の私には似合っているわ」
そうして鶴が折られていく。淀みの無い折り方は、アザレの細い指とあいまってちょっとした果敢なさを感じる。もう十年も折っていると指が覚えているというより、体がそれを作るように出来上がっているらしい。それでも出来不出来はあるのだから面白い。
「こんなもんね」
これで終わり!と言うかのように勢いをつけながらアザレは今日の日付をいれている。ピシッとしたきれいな鶴だった。
「明日はどうしようかなぁ」
アザレは一度、足を伸ばしてから、も
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)