花と源/木立 悟
 
姿で
花に抱かれ 立ちつくす


めくれあがり はばたきはためく
午後のものごとのふちどりや
忘れられた声や言葉や
息に憑かれた塵や埃が
かがやくままに
かがやくままにうたいはじめる


野にくずおれた巨大な枯れ木が
秋の桜に埋もれていて
触れるものを源へ連れてゆくとき
まばゆい影たち 鏡たち
縦にふるえる透明たちは
皆ひとつだけ花を身につけてゆく






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