微妙/
松本 卓也
空いたペットボトルが
部屋中に散乱していて
飽いた孤独だけが
心を満たしていて
秋に釘打たれる事を嫌って
少しだけ冬を待ちながら
半端な季節と半端な気持
天秤に揺らしているだけで
何かが変われるような
気のせいだけが時間と共に
飲み干した烏龍茶も
噛み砕く喉飴さえも
吸い尽くした煙草
灰の舞う部屋を出て
いつもと違う靴を履く
それで何か変われるのかな
戻る
編
削
Point
(1)