微妙/松本 卓也
 
空いたペットボトルが
部屋中に散乱していて
飽いた孤独だけが
心を満たしていて

秋に釘打たれる事を嫌って
少しだけ冬を待ちながら
半端な季節と半端な気持
天秤に揺らしているだけで

何かが変われるような
気のせいだけが時間と共に
飲み干した烏龍茶も
噛み砕く喉飴さえも

吸い尽くした煙草
灰の舞う部屋を出て
いつもと違う靴を履く
それで何か変われるのかな
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