まな板の上の恋/
ベンジャミン
見ていられない手つきで
君が包丁をにぎるものだから
僕は目がはなせない
指の皮すれすれで切り出される
それはきっと食べ物なのだろうけど
目を皿にしても
そこにおいしく彩られることはない
はらはらしているうちに
僕はもうすっかり茹で上がってしまったよ
二人そろって食事にしよう
僕が食べたいのは君の指じゃなく
きっと切っても切れないようなもの
戻る
編
削
Point
(5)