まな板の上の恋/ベンジャミン
 
見ていられない手つきで
君が包丁をにぎるものだから
僕は目がはなせない

指の皮すれすれで切り出される
それはきっと食べ物なのだろうけど

目を皿にしても
そこにおいしく彩られることはない

はらはらしているうちに
僕はもうすっかり茹で上がってしまったよ

二人そろって食事にしよう
僕が食べたいのは君の指じゃなく

きっと切っても切れないようなもの

   
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