雨、君が傘もささずに帰る頃、誰かが一人で眠る頃/AB(なかほど)
て帰る頃
なおさら誰かが濡れる頃
届かない唄ばかり歌う頃
夢の意味を振り返る頃
もう少しとばかり
つぶやくだけのために
傘はささない
約束の日も
降っていたのだろうか
喫茶店に置き去りの
赤い傘から
ポツリ
君が肩を濡らして帰る頃
なおさら心が乾く頃
届かない眼差し閉じる頃
誰かがどこかで泣いてる頃
もう少しとばかり
つぶやくだけのための
帰り道もなく
君が傘もささずに帰る頃
誰かが一人で眠る頃
雨上がりの噴水と
眠れぬ夜に帰る頃
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明日の今頃
雨
閉じた瞳の向こうにも
雨
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