鳥葬/岡部淳太郎
 

ただ鳥だけが
歌のように鳴き
呪詛のように歌う
すべての生きて動くものは
そのようにして葬られる
人も 例外ではない
死の肉はあらゆる岩石を超えて
隕石の隊列に加わり
夕陽は昇るように沈み
決して沈みきることはなく
あらゆる生も同じく
完全に沈むことはない
人も 例外ではない
そして都市は
やがて朽ち果て
すべての生きて動いていたものと同じく
そのやや硬い肉を
鳥によってついばまれ
歌うことなく
歌に共鳴することなく葬られる
ただ鳥だけが
たったひとりの運び手として
すべての死の上で悠然と舞う
そのようにして
すべての生きて動くものも
すべての生きながら動かないものも
ひとつの例外もなく
鳥によって運ばれ
空に還る

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