朝立ち/ZUZU
朝ひとりで目覚めると
皮肉なことに勃起に気がつく
妻のいないベッドのなかで
夢のなかでは
まぼろしのような幼い踝に
わたしはひざまずいて舌をはわせていた
だけどあの少女は
むかし見せてもらった
小さな妻の写真の面影に似ていたような
わたしはわたしの勃起が
何に向けられているのか
しばらく考えたが
きっといつも緊張しすぎていたのだろう
しかしいったい何に?
とにかく妻は出て行った
おきだしてインスタントコーヒーを入れる
妻がいようといまいと同じことをしている
勃起が悲しみのように首をたれてゆく
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