ラブレター/銀猫
わたしの空より
青い青いその先に
あなたの見ている空がある
夏から二ヵ月毎のカレンダーを剥がして
こころの奥まで秋が染みた日
それぞれの手に触れる温もりは
少し哀しい距離感を保ち
絡んだ細い糸は
手繰ってしまえば途切れると
いつかしら知っていたこと
もちろん恋には相応しくない
まして愛など
失う前に無かったことにしている
気付かぬ振りを崩さぬあなたと
便箋の上で
迷子になったわたしの微熱とが
泣くに泣かれず
ぽろり
銀杏の実を落とす
(風邪をひかないで)
わたしより
少し冬に近いあなたへ
特別重いキーボードから送信してみる
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