照 葉/紫野
 

 秋のこがねに
 ざざめく山の

 ざんざと落ちる
 もみじ葉に

 分けいりたくもないわと
 言うに

 うでを掴みし
 指の強きに

 あゆみ とふとふ
 ついて まいる

 真横から射す
 あたたかな陽に

 咽の底に
 押しこんだ

 幾百の声
 ふくれて焦げる

 皮膚の内に
 うごめいた

 幾千の手の
 目覚めており

 秋のこがねに
 ざんざとたわむ





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