月/ことは
 
空高くから
月は私を見下ろしている
私はその月を見上げながら
月<彼>は一体何を考えているのか
と模索する

冷たく白い光が
緑の鉄柵に落ちる
穏やかに反射した光が
私の瞳を焦がした

眩しくて

本当はすごく遠いのに
一瞬
一瞬
近く感じさせる

その度に
手を翳してみても
月は静かに微笑んで
白く、輝くだけ

ただ何も変わらず
あの日のまま

今日も私は月を見上げる
寄り添うように輝く星に
想いを馳せて
明日も月が見られますように
ただそれだけを
祈りながら。
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