Loving Blue/恋月 ぴの
生足は季節のアンテナで
感じる微かな蠢きを捕らえては
白い小箱に忍ばせる
真夜中のブランコ
揺れる君のくるぶしは
季節はずれのアンクレット
楽しかったはずの映画も
楽しみだったはずの夕食も
ふたりの手のひらから
さらさら音を立て夜の闇に着地する
君はぎこちなく微笑んで
今夜はすこし寒いわね
震えは小箱に忍ばせた蠢きのせい
ほら、着地点はここよ
生足は恋のアンテナ
私って危ない恋が好きなの
ふたりで見上げる星空は
冷たい夜風を渡る梟の折り紙
手を繋ごうとした僕の思いを振り解き
暗闇に浮かぶ眩しさに吸い込まれ
生足は透明に近い静けさを小走り
ひとりぼっちのブランコは
飼い主を待つ子犬になる
手持ち無沙汰を指折り数え
ほら、ストッキング買ってきたの
ストッキングに包まれた生足
アンテナを薄いナイロンで隠し
今度の君は何を感じ取るのだろう
ふたりになったブランコは
重なる影に揺れている
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