片想い/
落合朱美
貴方の瞳があまりにも
澄んだ色をしているから
向かいあうと俯いてしまって
貴方の爪先ばかりを見ている
眩しいと感じるものが苦手で
目を逸らしてしまうのは
自分の穢れを思い知ることを
怖れているから
秋に咲く紅い花たちが
痛々しく見えるのは
短い季節の狭間で
自分のすべてを曝け出して
ワタシヲミテ と
叫んでいるからなのだと知った
紅くなることも
透明になることも
できない私はいつまでも
貴方の瞳を見ることができない
けれど貴方から目が離せない
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