ヤー /狸亭
 

佛暦二五一三年三月生れの
ヤーとよぶ女に出会った夜
細胞の隅々まで思い溢れる  
早朝の散歩に眺める干潮の

タレー。遠のいて行く波の
後ろからあがきながらみる
果てないアヴァンチュール
プレーという北部の土地の

父母をはなれて南へ、南へ
あなたの、逞しい男の肩へ
わたしの重い頭を託したい

青い青いコ・サムイの海へ
眩しそうな視線を投げ賜え    
君の幻に一瞬だけ応えたい。

 (押韻定型詩の試み 32)

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