窓から/あやさめ
う
ビルの看板が文字を隠して押しかけた先の階段でつまづくと
1階からもう一度落っこちてしまうために踊り場ができました
(決して踊るためではないのです)
同じ高さにいるあの見上げたくない彼らの姿に敬礼してたのは
これから水際にダイビングするパラシュートの切れ端で
その姿があまりに斜め45度以上に奇麗に決まったので
飛行機も電車も自動車も勝手に空へ無重力を体験しにいきました
死んだ皆さんの数だけ逆さまになって足音が聞こえていきます
そうではなく逆さまなのは僕だけのことかもしれません
僕たちは今でもノブのない窓を開けようと必死の形相です
それを引き止められて勝手に今日を始められたのでした
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