窓から/あやさめ
僕たちは今でも窓のないドアを開けるために必死の形相です
向こう側から何も考えずにやってくる眠りの群たちをよけるために
靴下も履かずに枕ばかり投げつけているのです
雲の層のような薄皮を2,3枚捲りあげて
そこにあるダンボール箱の毛布を持ち出すような
天使の顔をした泥棒たちをゆるすような法律は
はるか昔から存在だけはしていました
この部屋の窓枠が内側へ向かっていくほどマトリョーシカ
死んだ皆さんの名前の数だけ今日も柵が増えていくのです
全て最初に遮断するための帽子を被せて墜落防止のサインは
近くにいくほどかえって小さくなるようにできているので楽しいでしょう
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