北原白秋の短歌/ふるる
かひの黄の蕊(しべ)の花じゃがいもの大ぶりの雨」
夏が3つに「の」が5つ。この軽快なリズム。さらに濁音が続くので、
雨がすごそうだけど楽しそうな感じです。
「夏夏夏ココナツ〜♪」(古)の歌はここから来たのかも!
○「ガソリン・コールター・材香(きが)・沈丁と感じ来て春繁しもよ暗夜(やみよ)行くなり」
白秋は五十三歳の頃糖尿病で目を患ったのですが、だんだん光を失っていく中でも己の芸術を極める
ことを怠りませんでした。これは匂いを辿って春を感じている歌です。
「ガソリン」と始まり「沈丁」に来る。
飛び跳ねることができないリズム、無機質なカタカナ、切られた木の
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