セカチューのリアル<村上春樹/セカチュー/となり町戦争>とランボーの埋葬:切り貼り/がらんどう
「鼠の小説には優れた点が二つある。まずセックスシーンの無いことと、それから一人も人が死なないことだ。放って置いても人は死ぬし、女と寝る。そういうものだ」
(村上春樹『風の歌を聴け』より )
『世界の中心で愛をさけぶ』の時代設定は、原作においては「1992年」、映画・ドラマにおいては「1986年」である。この86年から92年という時代(それも舞台となっているのは地方都市である)を思い出した場合、セカチューはある重要なものを落としていることに気付くはずである。セカチュー映画版・ドラマ版では「ラジオ番組」と「ウォークマン」が物語の重要な小道具として用いられている。だが、それはあくま
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