歌集【オレンジ色の朝日】/工藤伸一
雨あがりのましろな空にまぶしすぎるオレンジ色の朝日が浮かぶ
アスファルトの舗装道路の凹みなる水たまりより涌き出でし太陽
五年間履きふるしたるスニーカーぬれた歩道にきしむ靴音
何らかの預言の如くたなびきたるプラットフォルムのたばこのけむり
「ネクタイに縛られてなほ吊り革に操られていてそれでいいのか?」
ダンシング! 心はうきうきダンシング! けれど身動き出来ぬ肉体!
早朝の電車を降りて太陽は奇妙なほどにやはりオレンジ
今日もまた無為の短歌にこころくだきつつ僕は渋谷のビートにノれない
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