僕の愛する老犬へ/Dann・v・Seagal
さびしげなお前の目は
いつも虚空をのぞきこむ
なにかから逃げようと眠るお前は
夢の中だけ束縛から解放される
流れ込む食事と不健康な環境
唐突にいなくなる僕に
お前は何を期待する?
病魔に囲まれながら
お前が死ぬという
ことを想像して
流れるこの涙、偽りの涙なのだろうか?
お前に心はあるのだろうか
あれば僕は悲しい
なければ 許されると思う
いやしい僕がなさけない
お前に確実に近づく死
共に生きた時間が
くるおしい
ある日お前に僕の腕を差し出し
お前に強くかまれることで
自分の罪を軽くしようとした
だが お前は
やさしく僕の小指をなめるだけだった
お前に言葉は通じないけど
感情だけは通じるだろう
本当はお前に許して欲しいんじゃなくて
お前を救いたいんだ
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