蜻蛉/雑魚ヒロシ
 
が 鼓動が
迫るくらい透明なのです
それは
それはひとつの開かれた《他》を
受け入れることで
ゆえに でも
あなたは知っていますよね
それは幸せで
それは何でもないことだと


定位置ですね 今日も変わらず
あなたもわたしも
その 瞳が少し
ぶれているようです
もうじき訪れます
ほら
予兆を感じているのです

去年のあなたは
冬が枯れるまででしたね
抜け殻のままそこに
留まり続けて
そう
それはあなたで
あなたで
あなたでなく散り

そう
例えばそう
恋はその《あわい》にだけ
それ があるのでしょうね
だから
こんなにも静かで
とてもなめらかで
不安を覚えてしまうのだろうと
思う
のですが



あ、

また、あとで。
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