夜とまたたき/
木立 悟
かりの窓の明かりが
もう消えていることに気づいたとき
ただそれだけのことが悲しくさみしく
踏みしめてきた光たちと
何も照らすことなくまたたきつづける
わずか数十年の足跡を思う
夜へ 夜へ
集まる火の粉
見えなくなる手に触れてくる鈍
笑みのかけら
鳥のかけらとともに舞い
つたないかがやきの手となって
ひとりつづく足跡の
見えない行方を照らしてゆく
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