石川になりたくない/
王
俺は犬になりたくない
誰かに仕えたくないんだ
たとえそれが幸せなのだとしても
なりたくない
振る尻尾が無くってよかった
俺は電柱になりたくない
立ち尽くせば宇宙のように包めるのだろうけど
それは電柱の魂だから出来る業で
なりたくない
そこから見守る男じゃいやだ
俺は石川になりたくない
高校の時は彼の容姿に憧れてた
だけど今一緒に飲む度に思うんだ
なりたくない
俺の人生じゃないなんてまっぴらだ
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