運動会の、空へ/yo-yo
 
はただ塗りつぶされてしまう
キミの大地は灰色のクレヨン
キミの空も灰色のクレヨン
もくもくと、もくもくと入道雲の
キミはもくもくのひとつ
ゆうだちの雨粒のひとつ
そよぐ稲穂のひとつ
はらはらと落葉のひとつ
こんこんと雪のひとつ
そして、桜の花びらのひとつ

キミはどこにいるんだ

終わる終わる
キミを見つけられないままで
運動会が終わる

キミは私を避ける
キミはすぐに目をそらすから好きだ
キミの名前が好きだ
ノートにキミの名前をいっぱい書いて
いっぱいキスをする

せんせい、知ってますか
キスって宿題の味がしたんですよ
それと、私は逆立ちもできます
バク転もできます

逆立ちをしたら
キミが見えるだろうか
キミのいない校庭をもちあげて
万国旗の空へ落ちてゆくんだ
青い波紋がひろがって
だんだん視界が薄くなる
だれもいない空
いつかの空
どこに隠れたんだ
キミは




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