長い長い町の話/うめバア
 
ョッピングモールには
新しいカフェも、レストランもあって
そういうにぎやかさが
町には必要だった

けれど、その頃から
駅でたむろしている
浮浪者の姿が目立つようになった

昼間からお酒を飲み
汚れた服で座り込んでいる
素敵でもなければ
若くもない、人達

凍てつくような冬の朝には
数人で体をくっつけあって
寒さをしのぐしかできない
屋根を持たない人々

一番安い酒と
わずかの食べ物を
汚く散らかしながら
通勤ラッシュの時間も
駅のベンチでぼんやりと
みんなの姿を見送っている
名前も知らないおじさん、おばさん

その横を、大勢のひとたちが

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