炎/一代 歩
 
「短くなったから」

       と、

捨てられて

もみ消された

タバコの火が

まだ、 消えてない。


明滅を繰り返し

やがて


ふわりと



消えた。





おまえの持ち主はデブだった。

右足のつまさきで、ぐりぐりしているのも見ていた。

それでも消えなかった

おまえの火を

俺はさいごまで見ていたから

もう、安心していい。



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