炎/
一代 歩
「短くなったから」
と、
捨てられて
もみ消された
タバコの火が
まだ、 消えてない。
明滅を繰り返し
やがて
ふわりと
消えた。
おまえの持ち主はデブだった。
右足のつまさきで、ぐりぐりしているのも見ていた。
それでも消えなかった
おまえの火を
俺はさいごまで見ていたから
もう、安心していい。
戻る
編
削
Point
(3)