early autumn/
本木はじめ
冷房のままで空き地に棄てられし軽トラックが消えた秋の日
足首に薔薇のいばらをくくりつけあなたはをどる秋と告げれば
ほとばしる滝の飛沫の花びらを浴びるあなたの背骨が欲しい
ラヴユーと告げるあなたがひとしきり薔薇の花束燃やした跡に
べろべろと舐めたくちびる噴きあがるふざけて過ぎた日々の血しぶき
病室にあなたが袖を通さずに遺した白い永遠がある
風に乗りぼくは空へと散ってゆく秋のさなかの無人自転車
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