十月の化石/プテラノドン
物体の起源をめぐる言葉が尽きない
カルシウムの時代―
十月、化石を探すにはうってつけの季節
ポケットのついたズボンをはいて
腕組みをして、ぼくは歩いている。
ジュラシック!
君より小さすぎるぼくの掌は
化石になっても誰も気づかない。
あるいは、気づかれない君のように
予め―、と形容される調和のなかに
もうすでに、かさばっている地面の間に
しおりのように重なって埋まっていくだけ
「私はここどうぞ掘って!」と、ぼくが
ペシャンコになった指先で意思表示してみても、
ほとんど気付かれずにお終い。運よく出れたとしても、
シャベルカーに砕かれるといったもの。
指が5本揃っているなんて夢のまた夢。
それでも、もう一度日の目を浴びる事ができたなら
ぼくの指たちは旅に出る。
蹴飛ばされたり、投げつけられたり
もっと細かく砕かれたりしながら
そして、たどり着くのかもしれない―
ありふれた路上に
小指と小指が結ばれるような場面に
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