こっそりと白の時代〜たもつさん詩集に寄せて/umineko
と押しつけられて、それでも個であることを私たちは学んだではないか。立ち上がれ。前を見よ。あのー降りますからー、と人込みをかき分けよ。個であること。
彼の詩集を読む。ふと目をあげる。彼のことばがグッピーのように夢の中で泳ぐので、ここはどこかここでない水槽なのではないだろうかと私は夢想する。
私は彼を呼吸する。そして彼越しに私を見る。
等身大のグッピーが。
しあわせな椅子にもたれている。
たもつさん詩集、「こっそりとショルダー・クロー」に寄せて。
白線流しの長瀬くんをしみじみ観た夜に。
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