「雲と大工」/
プテラノドン
大工は黙々と
もくもく雲を
鉋で削っている
おが屑のような 白い雲
見晴らしもよく
遠い山脈は 透きとおって見える
黄昏 誰も彼もが眼の上に
反芻いようのないことに
さよならしながら憩う
告げることのない もやもやが
胸につくというのなら
夕日の窯に くべちまえばいいと
ひとしきり 心が燃えて
燃えた心が空へと昇り
雲はささくれ立つし ふくれていく
大工は黙々と
もくもく雲を
鉋で削っている
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