路線区/
銀猫
上りの通過列車が
雨上がりのプラットホームを過り
色褪せたベンチの水滴を
さらってゆく
少し欠けた白線と
凸凹黄色のタイルは
きっと黙って
それを見ている
プラットホームの
灰色の橋の下を
銀の線路は流れ
まるで無限の縁のように
きみへと続く真直ぐな道のように
希望を真似た後
夕立のような諦めに変わる
(いとしきひと)
呼ぶこと叶わず
ただ
きみに向かう
今日の真昼を乗り継ぐ駅
ひとり
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