残像(一)/薬本 祝人
 
黄昏時
君を探すは幾日

月の出に
おぼろに見える花の色を
君に伝えようと送る波

届いた音色は
遠くの雨音に消され

更けゆく月夜に
身の振り知らず
指先に風の沁み込む帰り道




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