僕のマリー/崎幹人
 
夕暮れの軟らかさ

ガラスの溶液 中毒の頬

つやつやした髪

唇が尖って僕を刺す

細い首を丹念に寄せ付けて

瞳を半分閉ざし

足裏で世界を放浪して

美味い干し葡萄に仕上げて帰ってくる


旅の話を交わしながら

骨盤で夢を育み合い

いそぎんちゃくみたいな

布団で一緒に寝るんだ



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