午後のリビングでのリアル/チアーヌ
の吸殻の形
ネズミ捕り警報機
今はもうない缶コーヒーが二つ
あなたのつけていたコロンの香り
あなたの指の形
そして爪の形
わたしはうんざりしつつ悲しくて
わたしがこんなにうんざりしちゃったのは
わたしのせいだけじゃないはずなのに
別れを言い出す羽目になったその原因はわたしが
他に男を作ったからで
やっぱり一方的にわたしが悪いみたいで
それでも
わたしはあなたと別れることが寂しかった
そういう自分勝手な話
でも最後にキスを迫られたとき
全身で拒否しちゃって
あなたは泣いたんだっけ
9つも年上のあなたが泣くなんて
わたしは思ってもみなかったの
恋の終わりなんて
当然残酷なものだから
そう
だからそんなことを
手に取るようにリアルに
思い出す前に
追憶はやめたいの
あなたとは
秋が深まった頃国道沿いの喫茶店で
ココアを飲んだときのまま
その一年後のことなんか
思い出したりしないで
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