ドルフィン/光冨郁也
横浜の学校の帰り、
地下街で買った、
ドルフィンの絵を、
窓にかたむけて置く。
青い海の中、
海面には太陽の光がさし、
ついのドルフィンが、
気泡をだし、よりそいながら、
深みへと潜っている。
まばらの雨が降る夜、
(いつもはひとりで帰るのだが)
後ろから追いついてきた級友と、
とぎれとぎれの雑談をして、
駅でわかれる。
電車に乗り、
横浜の河、
流れていく街の光を、
車窓から眺める。
電車から降り、
駅から自転車に乗って、
濡れた道を走る。
髪を湿らせながら、帰宅し、
鍵を開け、
だれもいない室内に入る。
青い光の部屋、
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