沈黙と怒り/小林レント讃4/渡邉建志
ゃんと字数もそろって例の強迫的な動機:(指輪を盗め。永遠に。指輪を盗め)になるし、ゲえええええええと叫んだ後にその「え」音のまま永遠に。指輪を盗め)。とよみきってしまえるかっこよさもある。叫んだ後に、さらりと締める感じ。最後の行の、改行してからの「例えば君は、脳を食べた。」の低体温がたまらない。その改行の間(MA)!この叫びは詩「コイビトノカゲ」のなかでも内容が狂いはじめた場所に対応している。「コウモリの 指ごと 引きちぎって/コイビトノカゲを 食べて あげるん だ」のところ。
詩は、悲しいという言葉をコンピュータ的に繰り返すことで終わる。コイビトが発したのであろう「何も心配はいらない」という言葉も、コンピュータ的に意味のない音声として繰り返されるばかりとなる。ビートのDO(ずー)もしまいには(zu--------)ノイズと化す。あとは閉じられない括弧がのこるばかりである。発信され続ける、ノイズと果てた叫び。
(続く)
2005/8/21, 9/11; 10/1 改稿
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