沈黙と怒り/小林レント讃4/渡邉建志
(よ。)}
水にしてもmizuにしても意味的には一回でいいんだからこれだけ繰り返すのはもはや美術的な問題かつ音楽的な問題である。この部分を朗読してみよう。きれいに並んだ間について見てみよう。たとえば(中原中也さん)と声をおとされる一瞬の間。つぎの「の」のあとの期待を持たせる短い間。綺麗だの単純な反復に終わらせない象形文字的な水とmizu。つぎにわがままなことをいう「でも」のあとの長い間。挿入される強迫観念(指輪)。極め付けが「手に入れた指輪を隠す永遠の#水mizuがほしい。」この一行。この#の強さ!その一瞬の間!キーワードを待つコンピュータプログラムのような気持ち。そしてさいごの(よ)はカオスの
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