小詩集「書置き」(一〜十)/
たもつ
からない
という夢の中で
魚は溺れる
+
もう少し
水のように話そう
双子の
手品師と
詐欺師が
シーソーをする
公園で
+
誰にも届けられなかった
花束が
空を飛んでいる
スズメやカラスが
群がり突っつく
しばらく見ていたけれど
他に珍しい鳥は
現れなかった
+
ベランダに
干してある
シャツ
パンツ
タオル
靴下
布類はいつも
そこで終わっている
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