ある15歳の経路/小林レント讃1/渡邉建志
こと。詩の言葉を書いているのではなく、彼の言葉が詩である、ということ。「詩人は詩人になるのではなく、詩人に生まれるのだ」という考えを、私はレント作品に触れるたびに抱かずにはいられない。そして私は永遠に自分が詩人たり得ないことを悟る。なぜなら私は詩人に生まれず、彼のような詩の言葉を持って生まれた人に感嘆し続けるしかないからだ。たとえそれが彼にとってうれしい言葉でない(時に迷惑ですらあろう)にせよ、私はそうに言わずにはいられない。
はじめ、可愛らしい口ぶりで可愛らしい内容を歌っていた少年が、徐々に初期ルドン的、あるいはシュヴァンクマイエル的幻想に沈み込んでいき、ついに爆発してしまう、その一つの悲
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