022/黒川排除 (oldsoup)
水なりに進んで行けば轍と気付き
ぬくい手を裏返し裏返し持っていき
一画のひらがな全部繋げたような川
べり
舞い上がる葉のごとく蛾のひとひら
石蹴って歩く子らを蹴って歩く
手垢付いた鉄杭庭に刺し我が家
檻とし
テレポーテーションその実、裁断と仮縫い
止まった救急車から一味がぞろり出る
畑に泥を撒くどこかしこの豊作の噂
鎌ひかる海そして
なにもみえなくなった
この窓すべてディスプレイであり核シェルター
街道狭くなるが最後まで行ってみたい
母の嫌いなダージリンティーを母の死後
折り紙で壁を折る少年の黙り方
飛んでいく鳥の胴ゆびあとがはっきり見えて
たなうえ
座布団があり
夜昼となく目がひらき
暗いカフェテラスエージェントだけが明滅し
カレンダーの紅
金でなかった金魚の命日
酒樽に囲まれて酒樽と化す
重機重ねてちちはは
よく似たうなりごえ
あぶりだし 代筆者の姿 じわじわ
濡れた鉄持つ静かな失笑途中下車
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