青く幸せであるがゆえに/尾関直人
 
おばあさんは
ひどく しっくりと
喪服をまとう

この黒い服にも もう慣れたわ
とでも云いたげに
湧きくるかなしみを
まるいこころで たくみにいなす

そのとき僕は 不意に
その意味を呑みこんでドキリとした
喪服に慣れるという
その意味を

生命についての
あきらかな
たったひとつの命運さえも
僕は・・・!                                 

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