ふるえ ?/木立 悟
 

雨を吸い込むまたたきを見る


朝に降るとどろきが
藍く蒼く
空の灰をすぎてゆく
畏れが燃える
地が燃える
午後のほつれを過ぎ
夜の水を浴びてなお
原のまわりを燃えつづける


ふたりの子が原に立ち
流れる煙を見つめている
遠く破れた堤防から来た
冷たく青い雪解け水が
ふたりの足をひたしている
羽は次々とぬけ落ちて
水に小さな波をたてる
足もとに咲いては消える
激しく淡い世界のなかで
結ばれた手はほどきほどかれ
やがてふたたび結ばれていく







戻る   Point(3)