月の神殿/
緑水
その昔、選ばれし月の巫女は
清らかな瞳で 戦の勝利を祈った
勇敢なる自国の兵士の勝利を―
その身を捧げし皇帝の御世の永続を―
そして。
そっと伏せた瞳が、再び蒼天の月を映す
―愛する太陽の戦士(あのひと)の、無事を―
蒼く白い月は変わらず神殿を照らすけれど。
お願い、心を見透かさないで・・・
私は月の巫女、あのひとの敵。
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