指標を越えて/いとう
 
完成度のみを求める必要もない。
ひとつの指標のみでその作品の良し悪しが決められるべくもなく、
ただ、その指標から見た場合、そぐわないというだけだ。
と同時に、
いくつもの指標があることに作者が甘えていると、
作品は死ぬ。死んでいく。腐っていく。
そういうことだと思う。

「詩とは何か」という命題に対する答えは、
自分自身が築くものであり、同時に、
自分自身が否定し続けなければならないと思っている。
個々人に基準があり、それは尊重されるべきで、
同時に、個々人はその自分の思う基準に甘えていてはいけない。
そういうものだと思う。
そして、蛇足として言うなら、
「それぞれに
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